1.目的
本指針は、児童発達支援および放課後等デイサービスにおいて、児童の基本的人権を尊重し、身体拘束その他の行動制限を行うことのない支援を徹底することを目的とする。
やむを得ず身体拘束等を実施する場合には、その適正な運用を図り、再発防止および支援の質の向上に資することを目的とする。
2.基本方針
- 身体拘束は原則として行わない。
- 児童の安全を最優先にしつつ、行動制限に頼らない支援を推進する。
- 職員は身体拘束が児童の尊厳を損なう行為であることを十分認識し、日常的に防止のための取り組みを行う。
- 身体拘束の適正化に関する委員会を設置し、定期的に検証・改善を行う。
3.身体拘束の定義
本指針における身体拘束とは、職員が児童の身体を直接的または器具を用いて一時的に拘束し、行動の自由を制限する行為をいう。
例:
- 手足を押さえる・縛る
- 介助ベルトや紐等で体を固定する
- 部屋や空間に閉じ込める など
4.身体拘束が許される場合
次の3要件すべてを満たす場合に限り、一時的に身体拘束を行うことができる。
- 切迫性:児童または他者の生命・身体に重大な危険が差し迫っている場合
- 非代替性:他に適切な方法がない場合
- 一時性:行動制限が一時的であり、危険が回避されたら速やかに解除する場合
※この3要件を満たさない身体拘束は行ってはならない。
5.身体拘束を行う際の手続き
- 職員はやむを得ず身体拘束を行う場合、事後速やかに管理者へ報告する。
- 管理者は、状況・理由・方法・時間・結果等を「身体拘束記録」に記載する。
- 当該事案について、身体拘束適正化委員会で検証し、再発防止策を検討する。
- 保護者に対し、経緯と対応内容を速やかに報告・説明する。
6.再発防止と職員研修
- 委員会は、身体拘束発生事例をもとに原因分析と防止策を立案し、全職員に周知する。
- 年1回以上、職員研修を実施し、身体拘束の法的根拠、人権意識、危険回避の方法、危機介入技法などを学ぶ。
- 新任職員には、就業時に必ず身体拘束適正化の方針と対応手順を説明する。
7.委員会の設置と運営
- 事業所内に「身体拘束適正化委員会」を設置する。
- 委員会は、原則として年2回以上開催し、必要に応じて臨時開催する。
- 検討事項:
- 身体拘束事例の報告・検証
- 防止のための支援方法の改善
- 職員研修内容の検討
- 家族・関係機関との連携
8.家族・関係機関との連携
- 家族と児童の状態・支援方針を共有し、理解と協力を得ながら支援を行う。
- 必要に応じて、医療機関・学校・相談支援専門員等と情報交換を行い、支援方法の改善を図る。
9.指針の見直し
本指針は、少なくとも年1回、または重大な事案が発生した際に見直しを行う。
見直し結果は全職員に周知し、継続的な適正化に努める。
付則
本指針は、令和7年9月1日から施行する。